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焦がれしの森→木枯らしの森

木の霊が長者の娘に恋をした。そして逢瀬を重ねました。それが長者の知るところになった結果、長者は木霊の大杉を伐採、丸太船に加工し、それに娘を乗せ、藁科川に流してしまいました。母親は慌ててタライにのって娘を追いかけます。しかし娘は舟山で沈んでしまった。追いかけてきた母親は娘を焦がれながら、焦がらしの森(木枯らしの森)のあたりで沈んでしまったそうです。
悲しいお話ですね。
話は変わりまして、長女長男に静岡市の歴史について興味をもってもらいたいと常日頃考えております。そんななか、木枯らしの森を訪問することは、冒険、探究心、それと少しの恐怖をトッピングに、子供たちの記憶に残り、静岡を知るいい機会になるのではと考えたのです。
そうして、木枯らしの森、探検プロジェクトを密かに立ち上げました。

数年前になるでしょうか、ある晴れた夏の日、今日しかないと計画を実行に移しました。まずは藁科川を渡る必要があります。

小学生であった子どもたちには、膝下まで流れる藁科川をわたるというだけでも相当の冒険に写ったと思います。現代っ子ですからなおさらですね。大騒ぎしておりました。
いざ木枯らしの森に到着するとなんともいえない不思議な雰囲気に満ちています。誰でも来れる場所では無いというのが原因でしょうか。

参拝してみますと、ご神体は他の場所にうつっているということで若干さみしい気もしました。真夏の快晴であるにも関わらず、ある種特有の重苦しさが木枯らしの森を包んでいるように感じられました。

ここで子どもたちに木枯らしの森の逸話を伝えます。
木霊と木霊に焦がれた女性、女性を大切に思い焦がれる母の悲しいお話…
焦がれしの森…

後日、プリントアウトした画像を子どもたちに見せたました。
下記写真の木のウロをみて絶叫してました。

娘「心霊写真だ!これはお母さんじゃない?娘はもっと下流で沈んだんだもんね!?お線香あげる!?」
息子「木の霊だ!これは船にされた木の霊だよ!」
私「ふむ、これは北部図書館で追跡調査が必要だな…成仏してもらうためにも…」

こうして木枯らしの森探検プロジェクトは秘密裏に大成功したのです。
子どもたちは、川渡りの冒険、トトロの森のような不思議な雰囲気、それとちょっとした恐怖、図書館での伝承の追跡調査により、木枯らしの森についてはとても強く覚えてくれたのではないでしょうか

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